今回は、耳コピの方法について書いていきたいと思います。
というのも、私はYouTubeにベースの演奏動画を投稿していまして、これまで80曲近くは耳コピをしてきました。しかし、耳コピというのは敷居の高い・難しいものじゃないんです。ちょっとしたコツと、あとは慣れで出来るようになります。
自分の好きな曲をコピー出来るのはとても便利ですし、是非皆さんにも挑戦していただくたく記事にしようと思った次第です。
前編となるこのページでは、ベース耳コピの基礎となる部分や下準備について説明していきます。
耳コピできる人、できない人
まず小話みたいになるのですが、僕は”耳コピできる人・できない人”っていうものが存在すると思っています。
僕なりの基準でいくと、歌のメロディーを聴いてそれを歌える人は間違いなく耳コピできます(カラオケで歌える人みたいな感じ)。もっと細かく言えば、音痴で歌えなくてもメロディーを理解出来ればOKです。
例えば、童謡の「チューリップ」ってありますよね。♪さいたーさいたー のあれです。これを歌えれば間違いなくOK。歌が下手だったり音痴であっても、ドレミードレミーと弾いてみて、”あ、同じ!”ってなれば問題ないです。
ドレミの間隔を理解出来るからこそ、同じ音程だと感じられるわけです。つまりこれは、よく言われる相対音感っていうやつですね(正確にはちょっと違うけど…)
耳コピは簡単に言ってしまえば、聞こえてきた音と同じ音を探す作業の繰り返しです。同じ音を探すというのが、相対音感があれば出来る、そういった仕組みです。(ちなみに、相対音感は絶対音感と違って生まれ持ったものではなくて、トレーニングでカバーできるものです)
逆にいえば、耳コピは相対音感を鍛えるトレーニングとも言えます。練習していくうちに音と音の間隔が理解できるようになっていきます。
耳コピの速さや正確性は練習量・数に依存する部分が非常に多いですが、かなり多くの方が出来る可能性を持っています。最初は慣れないと思いますが、チャレンジしてみましょう!
※ちなみに、Wikipediaには”音楽とか和音がきれいだと感じるのは相対音感があるから”っていうことも書いてあったりします。
下準備・音源調整
そもそも、ベースの耳コピをするにあたって一番難点なのが、”そもそもベースが聞こえない”という問題です。ギターはよく聞こえるのに、ベースは…なんてことよくありますし、普通のことです。特にギターをたくさん重ねたり、キーボードが入ったりするとそうやって感じやすいです。
そこで大切なのが、音源の調整です。ここでは”聞々ハヤえもん”というフリーソフトを使って調整していきたいと思います。Androidはアプリもあります。iPhone版は確認できる環境にないので、気になった方は調べてみて下さい。
聞々ハヤえもんについて、詳しい使い方は以前の記事に載せています。使い方に関してはこちらをご覧ください。
ちなみに、再生速度とオクターブ、イコライザーの調整が出来ればいいので、他のソフトでも可能です。
オクターブ調整
まず最初の調整です。
基本的に、1オクターブ上げるだけでかなり聞きやすくなります。
このように、音程を”#12”まで上げると1オクターブ上がったことになります。
イコライザー調整
オクターブ調整のみだと音源がシャリシャリして聴きにくかったり、疲れたりするのでイコライザーで整えてみましょう。
5kHz以上は大幅にカットします。聞き取りやすい500~1kHzあたりは、あまりブーストさせ過ぎず、その他を下げることで調整するのがポイントです。オススメ。
聴き取りやすい帯域を上げるように調整してしまうと、肝心の帯域が音割れしたり歪んで聴こえます。イコライジングの際に、減らすようにしましょうという理論と一緒ですね。
僕の場合この設定ですが、視聴する環境・ヘッドホン等によって聴きやすさは変わるので微調整していただけたらと思います。もっと言ってしまえば曲によっても聴きやすさは違います。あまりよく聴こえない場合は調整し直すのもアリ。
※調整したセッティングはプリセットとして保存出来るので、忘れずに保存しましょう。先ほどの記事にやり方は書いています。
調整例
文章を読むよりも聴いた方が分かりやすいと思うので音源を作ってみました。
ギターを重ねていないので元の音源からベースが分かりやすいですが、ベースが強調されその他が引っ込んだのが分かるかと思います。参考までに。
注意点
音源調整は終わりました。基本的に調整したセッティングで耳コピをしていきますが、その際、注意すべき点が3つあります。
仮想フレット
1つ目は、1オクターブ上がるので指板も対応して考える必要があります。
下のように、12Fを開放弦などと仮定して考え耳コピしていきましょう。
僕は低い音域(2.3.4弦を使うような)の場合下の図を仮想フレットとして考え、音程が少し昇ってきた時に上の図を使っています。
(個人的には) 下は音程感が感じやすいです。上は単純に音域が増えることと、1~4弦を使ったような運指が考えやすいです。上手く使い分けれると効率が上がっていきます。
表せない音
1オクターブ上がることで、高い音は仮想指板上で確認できなくなります。
実際の音が赤い範囲を超えると、1オクターブ上の仮想した指板で表せなくなります。つまり、赤の範囲外の音程は実際の指板・運指で拾うことになります。
1オクターブ上げて調整した音源でも、元の音源でも、この範囲(赤でない部分)は聴き取りやすいことが多いです。1オクターブ上に調整した音源が音が割れる・歪むような場合は、元の音源がハッキリ聴こえているパターンも多いので、戻してみるのもいいと思います。
オクターブ感覚
1オクターブ上げて聴いていると、同じEの音でも4弦開放か3弦7FのE音かといったオクターブの感覚が麻痺することがあります。
この点についても、元の音源に戻して聴いてみることが効果的です。両方の音源を比べながら確認するとスムーズです。元の音源に合わせて弾いてみるのも効果的です。
補足
こういった感じに、意外と元の状態と行き来することは多いです。先ほどのオクターブ上に調整した設定を保存するのはこういったこともあって書いています。
記録・メモ
頭や体で覚えてしまう場合は必要ありませんが、ある程度のメモや記録を残していくことも大切(せっかくコピーしたのに忘れたら悲しい…)
せっかくなのでメモ用のツールも少し紹介しようと思います。
まずは自作のものですが、TAB譜用のWordファイルを置いておきます。印刷して使って下さい。 書く方が楽な方、持ち運びをしたい方はいいかもしれません。
このファイルは見てもらえば分かりますが、5つ線を引いています。五線譜として使うも良し、TAB譜なら線同士の感覚が4つなので空白部分に数字を書き込んで下さい。線上に書くよりも見やすいと思います。
2つ目はTuxGuiterというフリーソフトです。私はこっちを使っています。
メリットは、打ち込んだ譜面を再生できる点です。リズムを間違いなく書けるのは便利です。多少の慣れは必要ですが、構造自体難しくもないですし、ショートカット等使うと速く書くこともできます。デメリットは、リズムをある程度正しく打ち込まないと見にくい楽譜になります。
TuxGuiterの打ち込みに関しては、また別の記事にしようと思います。記事が出来次第リンクを貼る予定です。
まとめ
今回は、耳コピの基礎の部分や下準備に焦点をあてて書いてみました。少しでも参考になれば嬉しいです。
耳コピに関して正直に言ってしまえば、大切な部分はこれですべてです。
あとは、数や量をこなし練習するしかないです。しかし逆に言えば、数をこなせば出来るようになるといえます。耳コピは一つの技術なので、ベースの練習のようにトレーニングあるのみです。
とはいえ、多少のコツみたいなものはあるかと思います。特に耳コピに慣れていない方にとって、コツとなる部分を知っておくと役立つんじゃないかと思います。
そういったコツとなる事は後編に続きます。
後編↓
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