先日、EBSのMicroBass2を購入しました!
多機能で音作りし甲斐のあるいいプリアンプですが、その反面、それぞれのつまみがどのように使えるのか分かりにくいこともあると思います。
この記事では、そういったどんな機能なのかという点を、実際に使ってみて感じたことを混ぜつつ紹介していきたいと思います。
使用感は?
色々な機能にふれる前に、私なりの感想、良い点・悪い点をざっくりと。
- 多機能で、特にMidの調整がいい。
- 2chあるので使い分けも可能
- 歪むというよりブーストする感じのDrive感が出る
- ただし高価。
- 多機能ゆえに難しいかも
おおまかにはこんな感じです。特に1つ目の多機能さとMidの調整は良いですね。いろいろ作り込めそうですし楽しいです。
ただし、多機能なところ、特にEQ関連に関しては非常にややこしくもあります。ここからは各種機能についてふれていこうと思います。
基本的な操作・つまみについて
まずは、基本的な使い方やつまみ・スイッチなどを紹介します。ある程度知ってる方は良いですが、基本情報として載せておきます。
入力端子
入力端子は2つ。本体右側面のAとBの横にそれぞれあります。
MicroBass2はAとB、2つの回路(こういう言い方が正確か分かりませんが)あります。AとBそれぞれで音作りができる訳です。また、その切り替えを下のA/Bスイッチで行います。
Aの入力端子は、A/BスイッチoffでA⇔B、A+Bスイッチをonで、A⇔A+Bに切り替えることが出来ます。Bの入力端子では単純にA/BスイッチでBになった時のみ使うことが出来ます。ちなみに、A+Bスイッチon時はB端子は全く使えません。
なので、一つのベースを使う場合はA端子を使うことになりますね。
B端子の使い方としては、2本のベースをシールドの抜き差しなしで持ち替えしたい時でしょうか。A、Bの両方にベースをつなぎ、A/Bスイッチを切り替えることでA選択時はA側のベースを、B選択時はB側のベースを鳴らすことが出来ます。(A+Bスイッチonだとこういう使い方は出来ません)
ちなみに、アクティブベースのように出力が大きい場合でも、-10dbのスイッチにより安心して使うことが出来ます。-10dbスイッチはAの入力端子に有効で、B側はアクティブベース用のものになっています。
出力端子
出力は、通常のアウトプットとXLRバランスアウト。
XLRバランスアウトでは、キャビネットシュミレーターが使えます(Spkr simボタン)
その他端子
その他はセンドリターンとLINKという端子があります。
センドリターンを使うことで、そこに繋いだエフェクターをブレンドすることが出来ます。ブレンド具合はFX MIXのつまみで調整。
LINK端子はA入力端子とつながっています。MicroBass2の回路は経由していません。
チューナーを接続すれば、チューナーによる音やせの心配はなくなります。また、ミュート機能なしのチューナーでも使用可能。MicroBass2にはMUTEスイッチもあるので、ミュートしながらのチューニングが可能です。
ボリューム・ひずみ関係
トータルのボリュームはVOLUMEつまみで。回路単体で音量調整する場合、BOOST・DRIVEつまみで。
BOOST・DRIVEつまみを上げていくと、音量も上がりますが歪んでいきます(ブーストしてる感じに近いです)
EQ関係
EQは、A回路ではBASS・TREBLE・Bright・Enh Filter、B回路ではMIDLLE(FREQ)・EDGEで調整します。
帯域についてはこちら。
FREQつまみではMIDLLEの帯域を20Hz~2kHzまで調整出来ます。
Enh FilterボタンはTREBLEつまみと連動していて、Enh Filterオン時はTREBLEを上げるとミドルレンジが下がり、TREBLEを下げるとミドルが上がります(このミドルとはB回路のMIDLLEつまみではないです)下図参照。
なお、AB両回路通る場合(A+Bスイッチオン時)はすべてのEQつまみで調整可能となり、幅広い音作りが出来ます。
実践的な使い方・音作り
ここまで各種スイッチ・つまみの紹介をしてきましたが、実際にどういった使い方ができるか紹介したいと思います。
また、こういった使い方はあまり向いていないという点もあるので、あわせて紹介したいと思います。(ここからは少し主観も入ると思います。参考程度に)
A+Bによる音作り
MicroBass2の一番の売りは多彩なイコライジングではないでしょうか。そういった観点では、A+Bによって一番真価を発揮すると思います。
EQ関係のつまみを使った例・ポイントを3つ紹介します。
1、まず基本として、BASS・MIDLLE・TREBLEでシンプルなパライコ的な使い方ができる。
MIDLLEはFREQつまみによって好きな帯域をブースト・カット出来るため、これだけでも使い勝手がいいです。またFREQは20Hz~2kHzまで対応しているのもポイントです。
2、Enh Filterによるミドルの操作
つまみの紹介した際にも話しましたが、Enh FilterはTREBLEとMIDLLEを連動させることが出来ます。
先ほどの図から分かるように、TREBLEと連動するMIDLLEの帯域は7~800Hz辺りでしょうか。FREQの対応帯域と比べるとMIDLLEの中でも高めの帯域が操作できます(私も使ってみた感じではそういった印象がありました)
例えば、B回路のMIDLLE(FREQ)でローミッド辺りを選択した場合、4バンドのパライコのような感じになります。
ただし、良くも悪くもEnh Filter使用時はTREBLEとMIDLLEが連動してしまうので、それぞれ別に調整(どちらもブーストなど)は出来ません。
3、細かなハイの調整にEDGEとBrightを。
7kHzと10kHzの帯域を調整出来ます。Brightスイッチはブーストのみですが、痒い所に手が届く良いつまみです。煌びやかなサウンドになります。
AB別々でイコライジング
A+Bスイッチオフ時は、AB別々で音作りが可能です。曲によってドンシャリサウンドや、ミドルをブーストさせたりすることがスイッチ一つで可能です。
ただし、A+Bスイッチオン時と比べると制約もあるので、音作りに関して少し使いにくい部分もあるかもしれません。
A側では割と音作りはしやすいです。個人的にはドンシャリが作りやすいかなあと思います。B側はMIDLLEとEDGEつまみのみ。ミドルをメインに操作することになるかと思います。
A+Bの方が細かな設定が出来ますが、ABどちらかで音作りができるのであれば、ABを切り替えることで、幅広く対応することが出来るのではないでしょうか。
歪みの切り替えとして
MicroBass2は、DRIVE・BOOSTによって歪みっぽいサウンドを作ることは可能です。
しかし、A側で歪ませ、B側はクリーンといった使い方はやや扱いにくいです。多少ブーストさせる程度の変化であれば、ABの切り替えで可能ですが、極端なセッティングは難しいです。
というのも、どちらかを歪みとして使おうとすると、DRIVEあるいはBOOSTを上げることになるのですが、クリーンにしたい側では下げなくてはいけません。ABそれぞれにVOLUMEが対応している訳ではないので、音量差が大きくなり実践的には厳しいです。
ただし、多少ブーストさせてソロに使う程度であればいいかもしれません。
最後に
いかがだったでしょうか。
MicroBass2は値段はしますが、それに見合ういいプリアンプだと思います。少なくとも私は、いい買い物をしたなあと思っています。これからどんどん使い倒していきます。
プリアンプに悩んだら、選択肢の一つにMicroBass2を!
※2022年5月 -追記-
MicroBass2は廃盤?になってしまいました。
(EQチャンネルはそのままで、歪みを足せるように改良されたようです)
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